名場面/トーマ・リプトン

トーマ・リプトン

  • ……今更、覚悟を問うたり、謝ったりはせん。
    愚かで気高い、ヘルマンの誇りたちよ。
    儂はただ、喜びと共に感謝するだけだ
  • ここが、我らが闘う場所だ。
    祖国を想え。大事な者を想え。
    その者が明日生きるためにーー今日闘え
  • 剣を取れ!
    己の為に、勝利のために……
    ヘルマンのために!
    オク・ノース間の戦い前、第三軍を鼓舞する為に発した言葉。

ランス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
トーマ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
荒い息が、混ざり合う。
もう感覚自体がかなり怪しいが、でかい身体の心臓部を、俺の剣がどうにか貫いている・・・はずだ。
トーマ「・・・・・・・・・・・・・・・・・ふ。見事、ッ・・・・・・!」
血の滴る口でそんな殊勝な事をほざきながら、ごつい手甲に包まれた手が俺の首に掛かる。
ランス「ぐ・・・・・・こ、この・・・・・・!」
トーマ「ぬ、おおおぉぉっ・・・・・・!」
絞め殺すというより首の骨をへし折る強さで、じじいは片手に力を込める。
シィル「ラ、ランス様っ!」
ランス「が・・・・・・っ、げぶっ・・・・・・! お、大人しく、死ねっ・・・・・・!」
遠くなりかける意識をかき集め、全力で手首に力を込めて、刃を回転させる。
トーマ「・・・・・・・・・・・・・・・ッ!」
楽しげに、唇が歪んだ。そう見えた。
次の瞬間、常識外れの怪力はどこかへ霧散していき・・・・・・トーマは、轟音と共に崩れ落ちた。

ランスとの最期の戦い。
死に瀕して尚、戦う事をやめず、戦士として死んでいった彼の姿は、ランスの記憶にも深く刻み込まれた。